会頭あいさつ

鉄門倶楽部会頭 岡部 繁男

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鉄門倶楽部は、東京大学医学部医学科出身者、学生、教員などで構成される組織です。東京大学医学部はその起源を1858年の神田お玉が池種痘所の設立に遡り、約160年の歴史がありますが、鉄門倶楽部は1899年(明治32年)に医科大学選手競漕者の慰労の会を機に「学生の運動を奨励し、医科大学に関係のあるものの親睦を謀る」ために発足し、今日に至っています。その発足が競漕会を契機としていることからも、本倶楽部と運動会とのつながりが深いことがわかります。その後鉄門倶楽部は運動会の活動に加えて機関紙の発行や同窓生の交流といった事業も開始するなど、順調に発展してきました。現在の鉄門倶楽部はその規約にあるように、会員相互の交流を深め、文化、教養、厚生に関する事業を行うことを目的としています。

鉄門倶楽部の事業を大別すると、第一は東京大学医学部医学科学生のための校友会的な活動であり、第二は卒業会員のための同窓会的活動となります。主な活動内容としては、機関紙「鉄門だより」の発行、会員氏名録の発行、鉄門旅行の開催、運動会・文化活動の支援、学部学生の夏期病院実習の支援、鉄門病院長会議の開催、地方鉄門会の活動が挙げられます。また鉄門倶楽部が主体となって実施した事業として、1993年(平成5年)より鉄門倶楽部創立百周年記念事業が行われ、1999年(平成11年)にはその基金を原資として医学部教育研究棟14階に鉄門講堂が完成しました。また、2019年(平成31年)にも改修された南研究棟内に鉄門臨床講堂が募金活動により完成しています。このように本倶楽部は東京大学医学系研究科・医学部の教育・研究・診療活動に大きく貢献して来ました。

昨年よりコロナウィルス感染症により大学での学生活動が制限され、医学部におけるサークル活動も十分に行うことが出来ない状態が続いています。医療に関係するものとして、万全の感染対策を優先することは致し方のないことですが、このような状況がワクチン接種の拡大などを通じて解消し、再び鉄門倶楽部所属の学生サークルが存分に活動できる時が一日も早く訪れることを願っています。

2021年6月
鉄門倶楽部会頭 岡部 繁男